三桜について

中期経営方針

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1. 中期経営理念

中期経営理念

三桜工業はグローバル自動車市場の成長とともに歩んできました。1990年~2020年の30年間に渡って、われわれの生産・販売拠点は7カ国から20カ国に、連結売上高は400億円から約1,400億円にまで成長しました。

 

過去5年間は、取締役会改革、ジョブ型の成果主義人事制度、カスタマー・ファーストを軸に、大胆な構造改革、ガバナンス改革に取り組んできました。その結果、3%強だったROEは10%を超え、グループ内には多くの新しいリーダーが生まれ、スリムで活力のある自律型組織に生まれ変わりました。

 

しかし、半世紀以上に渡って成長してきた世界の自動車市場は、2018年頃から調整局面に入り、停滞の兆しを見せています。更に、全産業を横断しての環境負荷低減は近年グローバル・イシューとなり、それに伴って自動車市場にもCASE※1革命の波が押し寄せています。日本の自動車メーカーの世界進出に乗じて、自動車内燃機関の部品加工・組み立てにより規模を拡大してきたわれわれ自動車部品メーカーも、方針を見直す必要に迫られています。これまでの30年で成功を収めた成長のモデルは、次の30年には当てはまりません。

 

計画的な需要と供給の見通しが立てやすい世の中は、先行き不透明なVUCA※2な社会に移行しています。一方で不確定性とリスクの高いウィズ・コロナ、アフター・コロナの世界では、新たな機会、社会のニーズが生まれ始めています。

 

われわれ三桜工業は、1939年の創業以来、安全要求の厳しい重要保安部品を、技術力と品質保証力、リーダーシップとチームワークをもって、お客様に提供し続けてきました。マーケット・インの問題解決能力、ステークホルダーに寄り添った安心の創出こそが、三桜工業の強みです。われわれは次の30年間もこの強みを活かし、『第3の創業』とも言える大きな事業変革に果敢にチャレンジし、コロナ・ショックの後に来たるべき新しい世界において、さらなる成長を実現させていきます。

 

※1 : CASE = Connected (つながる), Autonomous (自律走行), Shared (共有), Electric (電動)
※2 : VUCA = Volatility (変動性), Uncertainty (不確実性), Complexity (複雑性), Ambiguity (曖昧性)

 

 

2. 事業の変遷

自己変革と多様性が三桜のDNAです

三桜工業は1939年に大宮航空工業として創業しました。 戦後、醸造や家電など、様々な事業へのチャレンジを経た後、1960年代に自動車事業に参入し、世界第二位の車輌配管メーカーとして成長してまいりました。 お客様のニーズに応え、鉄、樹脂、ステンレス、アルミなど多様な材料を扱い、世界のすべての主要自動車メーカーに日々製品とサービスをお届けしています。

連結売上の推移

Sanohの現在(2021年3月時点)

 

 

3. 2010年代のレビュー

従来の自動車市場の変化

リーマン・ショックが明けた2010年、われわれは中期成長戦略『Goal 15』※3を打ち出しました。 ドイツのGeiger Automotive GmbH買収を含む積極的な海外投資により、2018年度には連結売上1,400億円を突破しました。2008年度~2018年度までの10年間で、連結売上は2倍近くにまで成長しています。 しかし世界の自動車生産台数※4は2017年前から成長が鈍化し、2020年にはコロナ・ショックにより年間8,000万台を割り込みました。それに伴い、三桜工業の売上も1,137億円にまで減少しています。 日本国内の自動車生産も、海外への生産シフトにより、この10年間は減少傾向にあります。 さらなる成長のためにわれわれは、グローバライゼーションの深化、そして新しい高付加価値事業の創出に取り組みます。

 

※3 : Goal 15= 2010年度から三桜グループのグローバルで活動した中期計画(社外未公表)
※4 : 生産台数実績は日本自動車工業会ウェブサイトから引用

 

生産台数推移・業績推移

 

 

4. CASEのインパクト

電気自動車構成部品の市場が拡大する

現在、当社の製品の約8割が、内燃機関自動車の構成部品です。われわれは、世界の自動車総生産台数は次の10年間も年間7,000万台以上の規模は維持されると想定しています。一方で、2030年までにハイブリッド(HEV)やプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を含む、車輌電動化へのシフトは必然の流れです。バッテリー、モーター、インバーター、パワーコントロールユニット(PCU)※5などの市場は2030年に向けて拡大が見込まれます。

 

※5 : パワーコントロールユニット(PCU)= 電力駆動車輌に使われる制御装置
※6 : 商用車を除く車両総重量6トン以下の乗用車のみの販売台数予測(出典:LMC Automotive Ltd.)
※7 : FCV=Fuel Cell Vehicle (燃料電池車輌)

グローバル乗用車販売予測

 

 

5. 定量目標

アフター・コロナの世界において、平均年率 6% の成長を目指します

中期方針 3本の柱

定量目標

 

 

6. 既存事業の深化

DXにより、既存事業の収益率と品質保証レベルを更に高度なものに

既存事業の自動車用製品(ブレーキ配管、燃料や冷却の配管、シートベルトなどの安全製品)は次の10年間も存続します。

コロナ・ショックの対策で実行した構造改革により手に入れた収益体質を、更にレベルアップさせていきます。鍵となるのはDX※8、信頼性工学※9です。自社生産工程とサプライチェーンの状況をリアルタイムで完全に『視える化』し、一段上の高収益体質、高品質生産体制を確立します。

 

※8 : DX=デジタル・トランスフォーメーション
※9 : 信頼性工学=製品やシステムの信頼性を統計的に分析する工学手法

 

既存事業の深化

 

 

7. サーマル・ソリューション事業の拡大

最適な熱輸送設計と品質保証力により、環境負荷を低減する

三桜工業は数十年に渡って、自動車用の熱交換器、冷媒配管を開発・販売・生産してきました。その実績を評価され、われわれの冷却配管システムはスーパー・コンピュータ『富岳』にも採用されました。

 

自動車の電動化に伴い、モーターやバッテリー、インバーターやPCUの市場が拡大します。これらの電気自動車コンポーネントは、どれも高性能な冷却機能を必要とします。 また、今後更に市場が拡大すると見込まれるデータセンターや通信機器にも、最適な冷却効果が求められます。 われわれは配管から熱交換器まで一貫して最適設計・生産ができる強みを活かし、放熱、熱回収、熱の有効利用に至るまでのサーマル・ソリューション事業の拡大を狙います。

※10 :HPC= ハイ・パフォーマンス・コンピュータ

 

サーマル・ソリューション事業の拡大

 

 

 

8. 次世代コア事業の創出

テクノロジーで社会の課題を解決する

われわれはコロナ・ショックの次に生まれる新たな社会的課題とニーズを見据えています。そのために過去から継続的に研究開発と将来の成長が見込めるVC※11に投資してまいりました。これからはさらに自動車事業にとらわれない新事業をM&Aも活用し拡大させます。キーワードは、M&Aの積極的活用、環境低負荷低減社会の実現、地域経済の活性化貢献、そして生きがい・働きがいの創造です。

 

※11 : VC=ベンチャー・キャピタル​

生産ソリューション事業

度重なる自然災害やコロナ・ショックのために、グローバル・サプライチェーンは分断されてしまっています。世界各地における中小規模の下請けメーカーは財務が悪化し、日々変動するオーダーや要求に苦しんでいます。しかしサプライチェーン全体で見ると、まだまだ在庫やスクラップの無駄が存在しています。どの会社も財務的な余裕はないのに、市場全体ではつくりすぎ、買いすぎ、捨てすぎ、というムダが発生しているのです。 三桜工業では加工設備や組み立て設備、検査装置を内製化しています。上流の製品、工程、設備から、下流の最終検査まで、一貫した設計を行っています。こうした生産ソリューションを社外に向けても提供し始めています。 われわれの力で、世界の製造業がムダを削減し、リードタイムを短縮し、財務の健全性と活力を取り戻す。そのような、中小企業に生産のソリューションを提供する事業を発展させていきます。

研究開発とCVC

三桜工業では20名以上のPh.D.人財が、世界各国の大学や研究機関と提携して、全固体電池や熱電発電※12、レーザーや先進医療などの次世代技術の研究を日々行っています。先進的な技術を持つスタートアップ企業にも日頃から積極的に投資しています。 来たるべき市場の変化に備え、われわれは事業領域を問わず、地域貢献・環境負荷低減に貢献するテクノロジーに対しては継続して基礎研究・投資を続けていきます。

 

※12 : 熱電発電=熱電素子をもちいて熱エネルギーを電力エネルギーに変換する発電法

 

次世代コア事業の創出

 

 

9. ESGの取り組み

ノルマとしてではなく、三桜のブランドを確立するためにESGの強化にリソースを投下する

環境(Environment)

三桜工業では1980年代から『軽量化事業部』を発足させ、自動車の軽量化、燃費向上に貢献してきました。自家発電や照明のLED化など、生産プロセスにおけるCO2削減にも早くから取り組んでいます。しかし現時点でのわれわれの環境改善活動は、業界全体で見ればまだ平均的なレベルです。 次の10年で、『環境にやさしい三桜』のブランドを確立できるよう、生産プロセスにおけるCO2の徹底削減、排熱・無駄なエネルギー使用量の低減、サーマル・ソリューション事業の拡大に優先的に投資を進めます。

 

ESGの取り組み:環境(Environment)

社会(Social)

社会環境の変化に早期から対応し、1989年からフレックスタイム制度、2017年からテレワーク制度を導入し従業員の働きやすさに貢献しています。これらの制度により昨年からの新型コロナ感染症の拡大防止にも速やかに対応することもできました。 また、従業員や地域の困りごとを解決すべく茨城県古河事業所に隣接する保育施設も運営しております。地域・社会貢献としましても東日本大震災、熊本地震などの復興支援、また、われわれの拠点地域でのボランティア活動にも積極的に参加し、近年ではTABLE FOR TWO※13の仕組みを導入し社会貢献をしています。しかしながらわれわれが未来のためにやるべき社会貢献はまだまだありますので継続的に『社会、地域に密着したグローバル企業』が根付くよう、活動してまいります。 

 

※13 : TABLE FOR TWO = 先進国の人々が新興国の子どもたちと食事を分かち合う活動をしているNPO団体NPO

 

 

ESGの取り組み:社会(Social)

ガバナンス(Governance)

お客様、株主、従業員などのステークホルダーを意識した透明な経営を目指しています。 コーポレート・ガバナンスにおいては、取締役会の実効性向上の観点から、2021年6月には独立社外取締役が取締役会の過半数を占める体制に移行する予定です。また、ダイバーシティの観点から常勤監査役に女性を選任することも検討しております。  これからも財政状態・経営成績等の財務情報以外にもわれわれのサステナビリティへの取組み等の非財務情報について、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組み、積極的なIR活動等を通じ、ステークホルダーとの相互信頼関係を深め、社会的責任を果たしてまいります。

 

ESGの取り組み:ガバナンス(Governance)